単品ではだめ

落雷による防災対策として、避雷針の設置は他の対策と同じく考慮に入れておくべきですが、ただ避雷針単品をつけただけでは意味がありません。逆にそれでは雷をその場所に集めるだけになってしまい、ただ建物や電気設備、人体などに危険が及ぶのみです。

避雷針が受けた電流を地面に流す機構ももちろんですが、その他にも避雷設備としてトータルに設置することが大切とされます。瞬間的に発生した大規模な電流を制限し、建物内の電気設備に影響が及ばないようにするアレスターと呼ばれる機器などを並行して設置するとさらに安全性が増します。

また、建物の構造基材で電流を分散させるようなものを使用することで、被害が軽減されることもあるようです。

何にしろ、総合的な落雷対策はもっと進められてしかるべきと言えるでしょう。

落雷抑制の一説

自然災害の中で研究が進められている雷。未だ詳細なメカニズムが解明されていないとも言われ、その部分を明らかにすべく活動が続けられています。そうした動きの中で、落雷を抑制しようというものがあるそうです。

まず、雲の中に発生する2層の電荷は、プラスを帯びた氷晶は上層部を、マイナスを帯びた雹は下層部を形成します。これにより雷が発生するものですが、その仕組みを応用し、マイナス電位に近い避雷針をマイナス帯電することで抑制させるという論理です。

この仕組みが成立すればかなり防災面でも安全性の高い設備として応用されるはずであり、開発と検証が進められています。ただし、避雷針の普及ですらうまく進んでいない現状で、さらなる仕組みに関心が向くには落雷による防災意識の浸透が求められます。

こうした研究はさらに広がりを見せることが期待されていますが、人々の防災意識が広まることが研究促進の原動力にもなるのではないでしょうか。

仕組み

避雷針の仕組みを大まかに言うと、針のような棒状の器具で受雷し、その電流を電線で逃がし、接地極で地面に安全に電流を逃がすというものです。受雷部は、あえて雷の電流を集めるようにできており、集約させることで周囲への影響も軽減し、防災につなげようという狙いがあります。

つまりこの設備は、1つ設置すればある一定の半径内の建物は総じて守られるということにもなります。ただしその効果が確実でないことはアナウンスされており、避雷針があるからと言って確実に安全とも言えないのが現状です。

また、避雷針に落雷した場合はその設備に非常に多量の電流が流れることとなるため、設備に近づくことは危険です。ただし、大きな被害をかなりの確率で軽減させることが可能な設備であり、住宅や各種施設などの防災管理のためには、建築基準法に定められた条件以外でも積極的に設置しておいた方がよいでしょう。

機器管理意識

特にこの日本においては、雷に関しての正しい知識が広まっておらず、落雷に関しての情報や防災としての落雷対策において海外諸国に比べかなり無頓着であると言われています。欧米では住宅に避雷針設備を設置することは義務づけられているのに対し、日本では設置に条件があるものの、その条件に当てはならなければ必要ないというスタンスです。

建築基準法においては、高さ20mを超える建物に関しては防護するように決められていますが、逆にいえばそれより低い建物は設備をつけなくてもよいとされているということです。しかし前述のとおり、雷は高いところにだけ落ちるものではないため、低い建物でも十分に危険性があります。

防災意識という観点では、落雷に関してももっと詳細に把握し、危険を少しでも回避するように自らが意識することが大切なのです。

近年地震対策が叫ばれるようになり、また土砂災害に関しても過去に経験したことのないような被害が頻発していることから、より意識や防災基準を強めようという動きが強まっています。しかし、落雷に関しては未だ危機管理意識が連動していないのが現状です。これを機に、防災全体に対する意識を高めることをおすすめします。